しまぐらし ~事務屋の日記~

霞が関で国家公務員を務めていた事務屋さんが、ひょんなことから島に移住していろいろと思うところを書き連ねていきます。

山内町長のインタビューに心打たれたので、後日どこかで紹介するためのメモ

[破綻寸前の離島、今は生徒数が倍増 町ぐるみの大改革]島根県海士町長 山内道雄氏(下)
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO15717510V20C17A4000000?page=3

記事から一部を抜粋。
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 今日の海士町があるのは、交流が盛んだからです。交流人口が増えないことには島の活性化はないだろう、と私は思います。

 本土と島をフェリーと高速船が結んでいますけれども、近隣の島はまず、この船賃に関して島民割引を実施した。当初、海士町だけこの島民割引をやらなかったんです。4月から国の「離島航路運賃補助制度」の適用になりましたから導入しましたけれど、正直、あまりいい施策だとは思っていません。

 島の人間だけが割引されると知ったら、外から来る人たちがどう思いますか? いい感じがするわけがないでしょう。

 私たちは今、外から来る人たちに宿泊してもらい、島にお金を落としてもらって生活が成り立っている。島を維持するためには、外貨を稼がないと。だったら、もっと外の目を意識しないといかんでしょう。

 というわけで、まあ課題はたくさんあります。海士町に挑戦事例はいくらでもありますが、成功事例はまだない。

良いインタビュー記事だ。
この度の国境離島交付金でもって、特定有人国境離島の航路航空路を利用する島民については、JR運賃並に運賃が引き下げられたのですが。
これに対して、意識高い系島民たちは「島外から来る観光客の運賃を下げないと意味ないよ!」という批判を繰り広げているのですが、そんなもん無理なわけよ。いくら予算があっても足りないですからね。
そして、そもそもの目的が「JR運賃並に~」ということなので、スポット的な観光客の運賃引き下げなら別の理由を挙げて、新たな補助金が投入されることでしょう。(たぶん無理だけど)

ところが山内町長は、外から来る人はいい感じがしないだろうと、島側はもっと外の目を意識しないといかんのだと。
立派だ。
補助金をもらって凌いでいる他の首長さんたちは、こんなことは言えないだろうな。