しまぐらし ~事務屋の日記~

霞が関で国家公務員を務めていた事務屋さんが、ひょんなことから島に移住していろいろと思うところを書き連ねていきます。

今年のアイランダーも楽しかったというはなし

さて、今年も無事にアイランダーが終わりまして、日本中が冬へと突入しているわけですが。

毎年恒例となっているアイランダー前日の「離島サミット」から参加させていただき、たいへん楽しい3日間でした。

 

離島サミットの登壇者が、旅館のコンサル・元協力隊・水産系の教授という3人ということで、元協力隊が立ち上げ・水産系の博士と修士がいて・民泊推進中の弊社としては、ほとんど新しい知見は無かったというのが正直な感想なのですが、さすがにそれはアンケートに書いても仕方ないのでもうちょっと当たり障りないことを書かせていただきました。

 

ところが、某司会者様のいたずら心から、何か質問するように求められてしまい、せっかくだから少しでも参考になればということで件の発言をさせていただいたのでしたよ。

いまいちちゃんと発言できなかったような気がするので、もう一度まとめてみました。

 

お話の柱は、観光で大事なのは宿泊だということで、某国民宿舎をリノベーションして成功した事例が紹介されまして。公演のスライドの中では「ゲストハウスや民泊と比べると、旅館の方が経済波及効果が高い」と書かれているけれども、経営がうまくいっていない国民宿舎のような物件があるとは限らない。と言うよりも、ほとんどの離島にはそんな都合の良い物件は無いので、仮に経済効果が高いとしても参考にできないのではないかと思ったわけです。

例えば対馬の場合、リノベーションどころか今年初めに東横インができたわけです。ビジネスホテルに泊まれば夜は地元の美味しい食べ物を食べに行きたいところですが、地元の人に外食する文化が無いので、街に地元の美味しい食べ物を提供する店が少ない。

それに比べたら、農村民泊ならお金を掛けずに開業することができるし、その島の美味しい食事を食べることができるし、どうせ家は広いんだし、トレッキングとかシーカヤックとか釣りとか乗馬とか、ここでしかできない体験をたくさん提供することができる。

このように考えると、旅館のリノベーションや新築よりも、民泊を増やす方が現実的だし、経済波及効果が少ないとも思えないのです。

(っつーか、どのような根拠から波及効果の多寡を測っているのか知りたいところだったのですが、さすがにそれは心象が悪くなりそうなので控えましたが)

 

ともあれ、離島はみんな仲間でみんなライバルなのです。

がんばってまいりましょう。