しまぐらし ~事務屋の日記~

霞が関で国家公務員を務めていた事務屋さんが、ひょんなことから島に移住していろいろと思うところを書き連ねていきます。

新博物館建設予定地で大きなイチョウの木を伐り倒したそうな

郷土愛って何なんですかねえ。
なんて言うと、例の道徳教科書ネタかと思いそうですが、今回はみんな気になるあの博物館のはなしですよ。

いや、長いこと公務員だったから役所のことは悪く言いたくないんだけど、やっぱりこれだけは言わずにおれないのです。

ハコモノを作るにあたって、邪魔になる何かがあれば排除しなきゃいけないし、
公共セクターのやることだから、市民全員が賛成しなきゃいけないなんて思わないし、
市の財政状況を考えたら、なるべく効率良く、コストをかけずに進めなきゃいけないと思う。

だから、博物館を建てるために、邪魔な木は伐り倒すこともあるでしょう。
移殖しようと思ったらけっこうな時間とお金がかかりますし。

でもさー、耳障りの良いことだけ言って、実際はひでーことをしてるなら、それはちょっとどうですかねえと言いたくなっちゃうでしょう。

例えば、博物館の基本計画では、「博物館建設の一番の目的は、対馬市民に郷土対馬の価値を理解していただくことだ」って書いてあるんですよ。
ここで一旦、冒頭に戻ります。

郷土愛って何なんですかねえ、、、

性懲りもなく、広報誌の一角にはまだこんなことが書いてあるんですよ。

>博物館計画についてみなさんに知ってい
>ただくため、説明会をこれまで四回行いま
>した。五月に第一回目を行って以来、数多
>くの方にご参加いただきましたが、今年度
>最後の説明会を三月十八日に行います。ま
>た、ご意見・ご質問はいつでも受け付けて
>いますので、 気軽にご連絡ください。

気軽に連絡したところで、気軽にスルーされるらしいけどね!

決定事項を一方的に通告するだけの説明会なら、何回やっても市民にとっては意味がなかろうに。
数多くの方のご参加って、いったい何人参加したんだよ!
質疑応答の内容も公開してくれよ!
本当に市民の声を反映しているなら、気軽に公表できるだろうに!

いや、いいんだよ。
市民の意見を全て反映するなんて無理な事だし、参加者が少ないのも、木を伐り倒すのも仕方ないと思うよ。
ただ、どういうやりとりがあったのか、どんな意見を反映して、どんな意見を却下したのか、その理由は何なのかをしっかり公表して、後から市民が確認できるようにしておかないと、禍根だけが残りますよ。

様々な個人・団体と連携なんてちゃんちゃらおかしいし、地域の人が何度も通う博物館を目指すのに、なんで禍根が残るようなやり方をするのか。
周辺住民の気持ちを踏みにじるようなことをしてたら、野田市郷土博物館のように市民の協力を得るのなんて土台無理なはなしだよ。
まあ、市民が資料を提供すると申し出てもむげに断るらしいから、野田市郷土博物館のような運営なんて夢のまた夢だよね~

だから、前にも書いたとおり、「専門家がきっちり進めますから、市民のみなさんは安心して待っていてください!ご意見無用です!」って言ってほしいんですよねえ。

いかにも意見を聞くようなフリをして、実際のところ専門家が決めたとおりに進めるんでしょう?
って、住民に見透かされているのにその姿勢を改めない、、、

不幸なことです。