しまぐらし ~事務屋の日記~

霞が関で国家公務員を務めていた事務屋さんが、ひょんなことから島に移住していろいろと思うところを書き連ねていきます。

正規の橋梁だけでも維持管理費が足りなくて困ってるのに勝手橋がぞくぞく判明しててんてこ舞いのようですね

面白い記事。
と言ったら語弊があるかもしれませんが。

www.yomiuri.co.jp

要約すると、
堺市の鶴田橋が傷んでいるが管理者不明
・1957年に誰かが橋を架けたらしい
・1967年に大阪府が鋼製に架け替えた
・府から市に管理を引き継ぐつもりだったけど協議せず
・2017年に協議を開始するも決着せず
・調べたら大阪府内には管理者不明の橋が424か所ある

この424か所という数字で驚くわけですが、その先もすごい。

滋賀県内には2473か所の管理者不明橋がある!
・その後約200か所は市町への引継ぎが決定した
会計検査院の指示で国交省が全国に把握依頼を通知
・他の道府県にも管理者不明橋があることが判明

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ところがこの調査は報告義務がないというクソ仕様で、ナメた回答が続出。
・佐賀「(河川改修した地点のみ調査して)不明橋は見つからなかった」
・岡山「管理する河川の総延長が膨大で調査困難」
・徳島「これまで管理者不明が原因で問題が起きたことがない」

シメの有識者コメントは「市町村への引き継ぎや、住民の理解を得た上での撤去を積極的に進めるべきだ」といたって普通。

勝手橋って、もちろんそれ自体が事故とか怪我の原因にもなりうるのだけれど、例えば地震で崩落すればダム化したりして、大雨が降ったら即洪水の原因になったりするので恐ろしいんですよね、、、
それでも長年使用されていると住民の生活とは切り離せなかったりするので、「住民の理解を得た上での撤去」はものすごく難しいでしょうし。
困ったものです。